講座ブログ

第73期 創作教室の感想

自由で、熱い   伊東 未夜

 

「書くこと」は、ながく、1人で戦うものだと信じていました。

しかし書いても書いても芳しい結果を得られないことに、虚しさや寂しさを、きっと感じていたのだと思います。

創作教室への受講を決めたのは、「何かが変わるはず」といった、少し漠然とした理由でした。

もちろん「『小説の教室へ通い始めること』で、デビューや受賞へ一気に近づくことができるのでは?」といった安易な期待は抱きませんでしたが……そう、「きっと何かが、何かが変わるはず!」。

そんな「前向きなドキドキ」と、「恐る恐る」が一緒になった気持ちで、地方からはるばる、定期的に東京へ通うことを決めました。

さて、期待と不安を胸に秘め、教室の扉を開けてみると……「作家志望」の仲間同士、互いの作品を公正かつ真摯に読み合う時間。

そこはぴりっとした緊張感と、自由さと熱心さに満ちていて、想像以上に特別な空間でした。

「作品を仕上げて提出をすれば、読んでもらえる!」

という大きな喜び。自然「書くこと」へと、正しく追い込まれていきます。

「読者」がいてくれることの心強さと感謝と……。

そして、そういった「合評の時間」を繰り返し共有することで、「仲間」とは、お互いに「戦友」のような絆も感じるようになりました。

 

「書くこと」は、やはり1人で戦うものだと今でも思っています。

けれど創作や作品について、本音で、とことん誠実に語り合える存在がいてくれることは頼もしく、何と温かな、熱い気持ちになれることでしょう!

ここに通い「戦友」たちと励まし、語り合って気付かされたこと、学んだこと、そして生まれた「ぴちぴちした」作品の数々。

 

最後に、そんな私たち一人一人を「書く仲間」としていつも尊重し、温かく応援して下さる先生方や事務局の方々の真心にも心からの感謝をお伝えしたくて、創作教室に通える謳うような嬉しい気持ちをここに記します。

 

「仲間がいて、自由で、熱い!」

 

2022年四月からの日本児童文学学校、創作教室、オンライン創作教室、実作通信講座の申し込みは、今日から受け付け開始です。

わからないことは、事務局まで遠慮なく問い合わせてください。

 

 

2022/01/07

あけましておめでとうございます。

2022年が始まりました。日本児童文学者協会、事業部は、いろんな講座を企画していきます。今年もよろしくお願いします。

さっそくですが、1月7日から、4月からの各講座の申し込みが始まります。

 

 

一番人気は創作教室。8名と人数がかぎられていますので、ぜひ、行きたいと思う方は、いそいで申し込まれるよう、お願いします。昨年は、8月の申し込み開始日に、満員となりました。オンライン創作教室も地方の方も参加できるので、同じく人気です。

まず、事務局にメール、それから指示にしたがって、振り込みとなっております。

この創作教室は、とてもたくさんの作家が生まれています。また、お互いの作品を読み込むので、受講生同士、仲間になれます。多くの同人誌、創作グループも生まれています。現役の作家が直接指導してくれるのも、ほかにはない魅力。出版社の傾向や編集者さんとの付き合い方など、多岐にわたる話が聞けます。詳細はホームページで確認してください。提出する作品をもっている方におすすめです。

 

 

 

また、4月から始まる日本児童文学学校では、講義と作品講評をくみあわせて、おこないます。児童文学ってなんだろう、って基本の話から始めますので、これから書き始める方、作品がまだない方も参加できます。

近年は、ある程度、書いている方が、もう一度、学び直したいと参加されることも多いです。

去年は、通いとオンラインとの組み合わせ、ハイブリット講座を考えましたが、音声の点で聞き取りにくいということがおきてしまいました。今年はオンラインのみの開催としたいと思います。ただし、見逃し配信がありますので、都合がつかない場合は、後日、視聴できます。

今回も双方向のオンライン講座なので、受講生から質問することも可能です。昨年と同様、雑談タイムで、受講生同士の交流もはかりたいと思ってます。

提出してもらった作品から最終日、最優秀作品を選びます。選ばれた作品は、機関誌日本児童文学に掲載されます! 規程の原稿料も払われますよ。

4月から9月まで、月に一度、日曜日です。詳細はホームページで確認してください。

講師陣も、絵本からYA、文学からエンタメと、いろんな分野での第一人者を起用しました。どの方も忙しい中、これから書く方のためならと時間をとってくれました。

またとない機会です。どうか、よろしくお願いします。

その他、実作通信講座というものもあって、こちらも人気なのですが、それはまたの機会に。

 

 

2022/01/04

第73期 創作教室の感想

創作教室に参加して 松代逢花

 同人誌に入ったこともなく、合評の経験のない私は、72期、73期(ただいま受講中)、創作教室に参加して、驚くことばかりでした。

 文章の上手さ、発想の豊かさ、そして創作に向き合う熱意。「よい作品を書く」という目標は一緒ですが、他の方達のレベルの高さに、小心者の私はかなり気後れしてしまいました。おまけにコロナの影響で、二回目から、創作教室は対面コースのはずがZOOMへ。パソコンの苦手な私は大騒ぎ。当日にちゃんと繋がるか心配だったので、大変恥ずかしかったのですが、事前に事務局の方に、繋げ方の練習をしていただきました。おかげで当日は無事に参加。とても助かりました。まったく手のかかる受講生です。

 そんな中でも、講師の濱野京子先生は、いつも的確で、温かなアドバイスをくださいました。

「読んで読んで書いて」「あきらめないで書き続けること」「何事も興味を持つように」等の言葉は(まだまだ他にもありますが)、ちょっぴりお茶目で、たくさんの活動をされている濱野先生が、よく私達に向けておしゃっていた言葉です。

 自分の視野の狭さや思い込み、知識のなさ、そして圧倒的な読書量の不足。おまけに原稿用紙の正しい使い方まで。それらすべてをこの創作教室で知り、教わりました。

 そして忙しい中、拙い私の作品を読んで、きちんと意見を言ってくれる他の受講生の方達。心強く、とてもありがたい存在であります。  

 私にとって、この教室は、書いていくうえで、一つの道しるべのような存在。

 目指す道のりはまだまだ遠いです。ですが、この大切な道しるべを頼りにして、あせらずにコツコツと進んで行こうと思っています。

2021/12/27

第73期 創作教室 感想

天の川と渡る舟の楫の葉に  樫葉正之

 

2021年4月から、第72期、第73期と参加しています。実は2020年も申し込んでいたのですが、コロナ禍の影響で中止になってしまったので1年振りに、今度こそ、というわけです。この間、事業部の方々には大変なご苦労があったことと拝察します。この場を借りて、開催いただいたことにお礼を申し上げます。

 

コロナ禍での特別編成ということで、第72期および第73期は、定員8名、月1回の開催となりました。これが吉と出て、毎回、2時間半だとは信じられないほど凝縮された合評が行われています。

また、緊急事態宣言が発令されればZoomで、解除されればリアルでと、いずれも経験できたことは貴重な財産になったと思います。

 

僕はいわゆるカルチャースクールに通ったこともありませんし、児童文学学校も未参加、同人誌にも未所属(児文協の千葉支部には伺わなければ……)、創作教室はもちろん初の参加となります。そうです、そんなひとでも参加OKなのです。

ですから、初回の日は、どんなだろうかと身構えて、千葉市の自宅から日本児童文学者協会事務局がある神楽坂に行ったことを覚えています。

なにしろ、全員が創作をしていて、さらに講師は濱野京子さん(「先生」とは呼ばないで、とのこと)です。これはストイックな場になるに違いない、ばちばちと火花が散り、ぴりぴりとした空気のなかで怒号が飛び交ったりするやも……。と、想像を巡らせていましたが、まったくそんなことはなく、初回こそ慣れない環境ゆえに異様な緊迫感があったものの、2回目以降は和やかな雰囲気で進行しました。

特に、参加してよかったと感じる点は、以下です。

 

①絶え間なく原稿が提出されること

②作品をより面白くするためにはどうすればよいか? を考えられる場であること

 

最初に、①はそれだけで刺激になります。毎回、実際に原稿が書かれ、提出されている。自分がこれだけ書いている間に、あのひとはこんなに書いている。提出作品を受け取る度、その実感も伴います。

そして、②はただ提出作品に対して良し悪しを印象批評するだけでなく、どうすればより面白くなるだろうか? と参加者全員で考えられる場に、創作教室がなっているということです。

 

普段は、児童文学創作をしていると当然(?)周囲に言うはずもなく、黙々と公募新人賞に向けて書く。作品を読んでもらったり、遠慮のない感想・意見をもらう機会もない。そんな風に、孤独に創作しているひとには強くおすすめできる場だと思います。僕以外、みなさん心優しい方ばかりです。

 

「天の川と渡る舟の楫の葉に思ふことをも書きつくるかな」

上記は、以前から執筆している物語の主人公がとても好きな和歌です。

僕はこれからも、天の川を渡る、創作という舟を漕ぐ楫の葉に、思うことを書いていきたいと考えています。

 

来年4月開講の第74期創作教室の講師は、田部智子さんです。日程など詳しいことは、お正月までには、ホームページで告知します。

申し込みは1月7日から。事務局にメールで確認して席をとってから、お振り込みをお願いします。コロナのため、定員が八名ととても少ないので、希望される方は、1月7日に申し込みされることをおすすめします。

第二回 オンライン創作教室の講師は、升井純子さんで、定員は10名。こちらも申し込みは1月7日までです。

2021/12/22

秋の一日講座感想⑥

待たずに動け!~秋の一日講座に寄せて    森木 林(もりき・りん)

本講座ご企画では、オンラインに加えて見逃し配信をして頂けたことが大変有り難かったです。海外の講師の方も可能だというオンラインの有難さも実感しました。講師の方々の貴重な実体験をインパクトあるタイトルの章立てでご紹介頂き、『書き続ける』ことの大切さと難しさを追体験させて頂きました。

本当にそこまでお聞きしてしまってよいのかな、という経緯まで詳細にお話頂いて、驚きました。ノンフィクション作品を作者ご自身に解説して頂いたような充実感で、5分間の休憩時間の終了が待ち遠しかったです(後日の動画配信の拝聴だったのですが、私の指が太いためか、なかなかピンポイントの休憩終了時間のタイムラインに触れられず、結局リピート再生続きになって、大人しく5分間の休憩終了を待つ方が早かったのでした。)
 講師の方々のお話から、あらゆる体験がどこかで作品の素材になること(むしろ、自分から素材にする!こと)や、漠然と書き続けるのではなく、各人各様の目標をしっかり分析した上で、その時代の出版事情にも合った実践的なアプローチが必要だと、色々な局面で、繰り返し教えて頂いたように思います。  
 自分が誰に向けて書いているのか、本当にこれから書いていきたい方向性を考えて書いたのか、正面からの自己分析を怠って、曖昧なままで、単に書くことだけに意識を置いていたことに気付きました。さらに、ひとつひとつの作品を「きちんと完成させる、それを続ける」、というシンプルな作業が、実は一番難しいのだと再認識いたしました。中途半端な書き流しばかりで、とりあえず書き続けているつもりになって、「推敲が必要だとわかってはいるけど、そのうち、そのうち……」で流すのではなく、少なくともその時点での自分の完成稿を目指すことを心がけたいと思います。書き続けるきっかけとしての締切の設定は、公募や講座受講や同人参加など様々ですが、参加で満足ではなく、その都度の自分の課題を設定して、少しずつ希望する方向に近づけたいです。

 同時に頑張りすぎない重要性も示唆して頂きました。どうしても昭和アスリート的な根性論が理想的だと錯覚してしまうのですが、本当に長く書き続けたいならば、心身のメンテナンスも肝心なのですね。地球外周はもちろん、お月さまへの旅も現実味を帯びてきた昨今! 長く色々な新しいビックリを楽しみながら、作品にのせていきたいです。講師の方々の貴重なご実践から、『待たずに動け! きっかけは自分で作るんだ!』という強いメッセージを頂いたように思います。机の前に書き出した紙を貼って、精進します。

講師の方々も、ご企画頂いた方々も、素晴らしいご講座を長時間ありがとうございました。

 

秋の一日講座の感想をくださった方々、お忙しい中、心よく書いていただき、ほんとうにありがとうございました。みなさんの言葉は、講師の方々や企画運営した事業部のメンバーをはげましてくれました。これからも、どうか、よろしくお願いします。

 

2021/12/20

秋の一日講座 感想⑤

魔法の合言葉を頂いて 小野 光子

 

夏の告知以来、待ちに待っていた秋の一日講座「みんな、書き続けよう!」、参加させて頂きました。

 令丈ヒロ子先生、佐藤まどか先生の貴重なお話。そして、赤羽じゅんこ先生を交えてのトークライブ。画面のこちら側で声を出して笑ってしまうほど楽しく温かく、そして、深く。「失敗は種になる」「書き続けていれば、自分が書きたいものに、きっと出会う」等々。ハッとさせられる言葉の数々に、メモする手が止まりませんでした。

コロナ渦のこの二年、次第に心に差していった暗い影。それがいっきに吹き飛ばされていくような、視界が明るく開けていくような、陽のエネルギーを満タンに頂いた時間でした。誰にだって暗い夜はある。失望し絶望する夜がある。それでも大丈夫。書き続けられる、きっと。そう、背中を押して頂いた気がします。

書く上で、人生で、これからも色々なことがあるでしょう。でも、もう大丈夫なのです。何ものにも負けない魔法の合言葉を、私は頂いたのですから。

「さあ、書こう!」

皆様、本当に貴重な時間、素晴らしい講座をありがとうございました。

 

大好評だった秋の一日講座は、今、オンデマンド配信の受付中で、多くの方が利用されています。

受けとっておけば、1月末まで何度も視聴できます。ただ、申し込みは、12月25日までとなっていますので、お早めにどうぞ!

また、来年、4月からの日本児童文学学校、創作教室、オンライン創作教室、実作通信講座の告知は、お正月までにはしたいと思っています。

とくに現役作家から直接指導をうけれるということで大人気の創作教室、オンライン創作教室は、申し込み開始の1月7日に申し込むことをおすすめです。

まず、事務局に申し込みメールをして、席を確保してから入金という流れになります。よろしくお願いします。

ちなみに、創作教室の講師は田部智子さん、オンライン創作教室の講師は升井純子さんと変わります。

よろしくお願いします。

 

2021/12/18

秋の一日講座 感想④

書き続けるためのヒント! 小郷文子

 

 協会事業部主催の「秋の一日講座」を受講しました。令丈ヒロ子さんと佐藤まどかさんによる書き手・作家志望に向けた書き続けるヒント満載の企画でした。

 最初から衝撃的な内容で「樹海に迷い」「氷の海に落下」「死さえ意識」というそれぞれの凄まじい人生経験は、その時人間がどう感じ行動するかという人間理解に通じます。何度も挫折し心が折れるような思いに襲われても、ぶつかった壁を乗り越えて「書くことに変換する」心の強さには心が震えました。

 きっと私にとって執筆時の強力なお守り札になると思います。

 また、具体的なお話しから「作家になるならないではなく先に作品ありき」「次につながる新人賞を選ぶ」「新人賞に落ちたらちゃんと分析する」「受け身を磨き、あきらめない、さあ書こう!」などは自分自身も書けないいいわけをせず、素直さと謙虚さをもって作品を仕上げるしかないという反省と共に心に留めました。

 また、赤羽じゅんこさんを交え打ち解けた雰囲気の三人のトークショウにはとても共感! 時代性、社会性、何が求められていて、何が求められていないのか? を感じる「アンテナの感度」の大切さを受け取りました。

 長く書き続けるためのアドバイスでは、佐藤さんの「ひつこく諦めないけどムリはしない」、令丈さんの「ボツはこの世にない、在庫置き場に入れ別のアプローチをする」、赤羽さんの「書いている人のそばにいて刺激を受ける」は私の心にすうっと入ってきました。

 オンラインライブを聞き終えて、創作意欲を刺激され自分の気持ちも少し強くなったよう。また頑張ろうと思いました。貴重なお話しをありがとうございます。心から感謝です。新作の予定が次々ありお二人ともお忙しそうですが、体調にお気をつけください、そしてまたどこかでお話しをうかがいたいです。

 最後に協会事業部のみなさま、心躍る素敵な企画をありがとうございました。

                              

 

2021/12/16

秋の一日講座、感想③

みんな見て! としか言えない  渡川浩美

 一番大事な事なので、最初に書きます。

 秋の一日講座『みんな、書き続けよう!』オンデマンド配信中です。申しこみは12月25日まで、日本児童文学者協会事務局に「秋の一日講座、オンデマンド希望」とメールして下さい。来年1月末まで、何度でも視聴できるので、2000円をケチってはいけません。

 実はこの講座の告知があった頃、私は視聴を考えていませんでした。当日は(11月28日)リアタイ視聴ができません。見逃し配信がある事がわかったものの、その内容が自分の役にたつのか疑問でした。

 令丈ヒロ子さんと佐藤まどかさん。今をときめくお二人は「元々天才的な人で、凡人には真似できない秘訣があって、何より強運の持ち主なのだろう」という私の勝手な思いこみです。それでも申しこんだのは「せめて画面越しでも、お二人の強力なパワーを頂こう」という下心と『みんな、書き続けよう!』というテーマを無視できなかったからです。私自身年齢を重ね、デビュー当時と環境も変わり、この先を考えると不安でした。

 見逃し配信を視聴して結論から言うと、お二人のパワーは私の想像どころではありませんでした。令丈さんは「天才的な人」についても語り、佐藤さんの「打たれ強くなる」(受け身の技を取得する!)は、実体験も踏まえての解説で、必見。お二人とも、話の内容が具体的でわかりやすい分、衝撃の連続です。

 後半の、赤羽じゅんこさん司会による質問コーナーも、身に染みる内容でありながら、明るく楽しい和やかな雰囲気で、笑いつつも力が湧いてきます。

 私の文を読んでいる場合じゃありません。ぜひ、オンデマンドで、目で、耳で、この講座を体験し、実感して下さい。この講座で感じ取った事は、創作活動だけでなく、これからの人生の支えになる。あなただけの宝です。

 作家と作家志望だけでは、本当にもったいない。だから、みんな、見て!

 

2021/12/13

秋の一日講座 感想②

「YES! OF COURSE!」 うたかいずみ

「秋の一日講座」の講師は、大阪在住の令丈ヒロ子氏と、イタリア在住の佐藤まどか氏でした。講師のお二人の書き手への熱い想いが、ひしっと伝わってくる講座でした。  

大人気のエンタメ文庫シリーズなどでご活躍の令丈ヒロ子氏はご自身の過去の出来事を、「樹海に迷い込む」「氷の海に落ちた」などという言葉で表されました。書き続けるには、心の中へのインプットとアウトプットのパワーバランスが大切なこと。そして、「自分はこれを書くために生まれてきたのではないか」という作品に出合えるように、書き続けていかなければならないのではないかとのことでした。

佐藤まどか氏は、現代社会や登場人物の心の奥深くに迫る切り口が鮮やかな作品を、多く書かれています。パネルに掲示してくださった言葉は、「失敗は種! 種はケアしないと死ぬ。なので水をやろう。肥料をやろう。」「執念! 先に作品ありき。」「打たれ強くなる」などでした。そして、最後のパネルでは、「さあ、書こう! ARE YOU READY?」と呼びかけてくださいました。

わたしは、「YES! OF COURSE!」「WRAITE! REST! CONTINUE!」と、心の中で応えさせていただきました。

赤羽じゅんこ氏進行のもと、講師のお二人は参加者の質問にも、丁寧に答えてくださいました。お二人のご経験を拝聴し、心身を無理させないバランスを保ちつつ、向き合うべきテーマの作品をこつこつと書き続ける勇気をいただけました。貴重なお話をお聞かせいただいた講師の先生方や、お世話くださった協会事業部の皆さまに感謝いたします。

2021/12/11

秋の一日講座感想①

執念を誓ったあの日  岡沢ゆみ

 

 11月28日にオンライン受講した『秋の一日講座 「みんな書き続けよう!!」イタリア×大阪×東京 オンライン作家ライブ ここだけの話』は、期待どおり、いやいや、期待以上に、楽しく、有意義な時間を過ごせました!

 講師の令丈ヒロ子さん、佐藤まどかさん、お二人ともが、デビューから今日に至る道のりを、公私を織り交ぜて、かなりぶっちゃけて、お話して下さいました。その語り口がなんともお上手というか、面白くて、どんどん引きこまれてしまいました。あれほどの作品を生み出されているお二人が、まさかご苦労されていたとは夢にも思わず、こういっては大変畏れ多いわけですが、おなじ書き手の端くれとして、シンパシーを禁じ得ず、勝手ながらも大いに親近感を抱いてしまったのでした。

令丈さんが、エンタメ作品とは娯楽であり、楽しみやなぐさめを読者に提供するものだ、とおっしゃったのは、筆者の腑にストンと落ちました。読み終わったときに、読者に「あ~、面白かった」と思ってもらえる作品がエンタメ作品であり、読後に作者が伝えたかったことが読者のこころに残る作品が、エンタメ以外の作品だとおっしゃるのを聞きながら、今後どんな作品を書いていきたいのか、どんな作品を書くのが自分には向いているのか、いまだに迷いの多い筆者は、ふと感慨に耽ってしまいました。

佐藤さんのおなはしは、人生の失敗も、執筆における失敗も、すべて肥やしにして書いていこう! というものでした。失敗は、そのままにしておけばただ傷跡として残るだけだが、そこに水をやり肥料を与えてちゃんと育てれば、いずれ作品として実をつけるということを、ご自身の経験を踏まえてお話して下さいました。佐藤さんが、受賞を逃したり、ひとりの編集者によってボツになったりした作品も、決して打ち捨てたりせず、方向性など検討、調整しながら、改めるところは改め、あきらめずに売りこむ勇気やガッツが必要だ、とおっしゃるのを聞いて、筆者はあの日メモに『執念!』という文字を黒々と書き入れたのでした。

ときには自信を失い、ときにはなにを書いたらいいかに迷い、書き続けることが困難に思える日もありますが、あの日はお二人のおはなしをうかがい、まだまだ頑張るぞ、と胸を熱くすることができました。ありがとうございました!

あぁ、一度や二度や三度や四度……の挫折であきらめてなるものか。

 

秋の一日講座の感想をこれから順番に掲載していきます。ぜひ、読んでみてください。

また、本講座は11月28日に修了しましたが、オンデマンド配信は、12月25日まで受け付けています。オンデマンド配信は、1月末まで何度でも視聴できます。気になった方は、事務局までメールでオンデマンド配信希望と申し込んでください。

2021/12/10