日本児童文学者協会 那須会長からのメッセージ


 被災地の子どもたちへ

 ぼくの住んでいる山口県防府市の地区では年末になると「お笑い講」というお祭りをします。地区の人たちが集まり、ひとりひとりが順番に大笑いするのです。笑い方がうそっぽかったり、元気がないと、やりなおしをさせられます。そして最後に全員が声をそろえて大笑いするのです。
 あるときお祭りに参加した社長さんが、自分の会社でも毎朝「お笑い三唱」というのを始めました。社員全員が声をそろえて、『わっはっは、わっはっは、わっはっは』と、三回大笑いするのです。最初は恥ずかしがっていた女性社員も、そのうち口をいっぱいにあけて、おなかの底から大きな声で笑えるようになりました。
 人間は愉快なことがあれば笑います。これはあたりまえのことです。
ところが不思議なことに、お笑い三唱をすると、愉快なことがなくても、楽しくなったり心が温かくなるそうです。なにより元気になります。
 みなさんも、毎朝の教室や避難所の庭で「お笑い三唱」をしてみませんか。一人では恥ずかしくても、クラスのみんなや、家族全員でやれば恥ずかしくありません。
 「お笑い三唱」は、人数が多ければ多いほど効果があります。出来ることなら、すべての被災地の人が、声をそろえて、『わっはっは、わっはっは、わっはっは』と笑ってほしいです。そんな日が来ることを心から願っています。



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